MBOとはマネジメント・バイ・アウト(Management Buy Out)、EBOとはエンプロイー・バイ・アウト(Employee Buy Out)のことをいい、一般的に、企業の経営者や従業員が、ファンド等の投資家と提携することによって、また、金融機関からの資金を利用したレバレッジを利用することによって、当該企業そのものを買収すること意味します。
買収当事者が当該企業の経営者又は従業員であるという点を除けば、通常のM&A取引等と同じ部類に属する取引であるともいえますが、企業の経営を委託されている経営者が、その委託元である株主を相手として取引を行うことから、かかる取引には、非常に重篤な利益相反問題が内在することになります。
MBO・EBOは、通常、上場会社において実施されることが多いですが、その場合、公開買付けを行った後に、残存株主から強制的に株式を取得するスクイーズ・アウトの手法によって実行されるのが一般的となっています。こうしたスキームに関する業務については、M&Aやファイナンスと共通するものですが、上記の利益相反の観点から、あらゆる場面において高い公平性が要求されるセンシティブな取引といえます。
また、こうした公平性の観点から、経営陣、対象企業、投資家、金融機関といった各当事者が、それぞれ独自にリーガル・アドバイザーを起用するため、数多くの弁護士が関与するというのも非常に特徴的な側面であるといえます。
当事務所では、経営陣側、対象企業側、投資家側、金融機関側のいずれの立場においても、数え切れないほどの案件を経験しており、中には、公平性の観点から、いずれの立場からも独立した第三者委員として関与した経験も有しています。その全ての案件において、他の当事者との交渉、契約書の作成といった業務は当然として、内在する利益相反問題に配慮した適切なソリューションを適用してきました。